Q.西洋占星学で将来のことが全てわかるのでしょうか

ずっと不思議だったことがあります。
学問としての西洋占星術を極められた方たちは、その知識と技術をもってすれば、ご自分の事で、普通は知りえない事(おもに未来のこと)が何でもわかってしまうのでしょうか。
もしそうであればご自分の「知ろうと思えば知る事ができて、しかも普通だったら知りようもない未来のこと」をすべてご存知の上で、生活していらっしゃるのでしょうか。それとも敢えて知らないようになさるのですか。


A.全てはわかりません、でも…

端的に答えてしまえば、未来を全て具体的に知る事は、今のところ不可能です。
私は『極めた』訳ではありませんし、まだ本当の意味の西洋占星学を極めた人はいないのです。
確かに私は、占星学を知らない方よりは、未来を見ながら生活しています。でも、私が見る未来は、ぼんやりと輪郭だけが見えているだけの未来なのです。

ちょっと精神世界の専門用語を出しますが、占星学は『アカシックレコード』を読む事が、1つの目的です。
『アカシックレコード』とは、言ってみれば『魂の記憶』、別に言い換えれば『DNAの記憶』です。

精神世界の話ではなくても、現在の生物学では「DNAは、持っている本人が生まれる前の記憶も未来の記憶も持っている」ことが判明していますね。
『記憶』は『記録』と言い換えたほうがわかりやすいでしょうか。それこそ、人間が人間になる前、ミジンコ以下だったときからの記録も、これからずっと先の記録も持っているそうです。
また、この『記録』には、全生物的なものと個人的なものの2種類あるそうです。(そこまできっぱりとは言われていないかもしれませんが、私はそう受け取っています)
これとほとんど同じ事が、精神世界では言われています。
もう少しグレードアップ(?)して『全ての魂の記録』と言い換えた方が良いかもしれません。
アカシックレコードとは、言うなれば『全宇宙の記録』なのです。

また、この『記録』は、未来については『シナリオ』と言い換えることもできます。
なぜかはお解りになれますよね?
『起きる事になっていること』が書いて(記録されて)いるからです。
このアカシックレコードは、もちろん特定の人物について記録されているわけではありません。
全宇宙の記録ですから、あかねさんの『魂の記録』も私たちの『魂の記録』も、全てが『アカシックレコード』に刻まれているのです。
この『記録』あるいは『シナリオ』を読む事が、占星学の目的なのです。
それは、宇宙の不思議を解き明かす作業でもあります。

では、現在それが完全にできているか……???
できていないのです。
聞いてしまえば当たり前のお話ですが、もし私たちが人生のシナリオを細かく知り得たらどうなるでしょうか?
必ず来る試練期を書き換えたくなりますよね?
例えば「Aさんと付合って、最初は幸せだが最後はボロボロにされて捨てられる」と書いてあったら、どうしますか?
私なら、Aさんがどんなに魅力的でも避けると思います。
でも、そうなったら、そのあと会うはずのBさんとの出会いを逃すかもしれません。なぜなら、Bさんと幸せになるにはAさんとの付合いで経験する(=学ぶ)精神的葛藤が必要かもしれないからです。
もうちょっと歴史的な方向に視点を広げてみると、例えば織田信長が「本能寺の変」を知っていたら、彼は本能寺に行ったでしょうか?もし行かないで明智光秀に殺されなかったとしたら、日本の歴史はがらりと変わっているかもしれませんよね。
もしかしたら、まだ戦国時代かもしれません。

でも、結局はそのようなことは起きないのです。
どの時代のどの施政者にも、占い師(予言者)は付いていたと言われています。それでも、歴史はシナリオのとおりに進むのです。
そうでなければ、宇宙全体のバランスが崩れてしまうからです。

さて、大げさな話になりましたが、でも、この『バランス』には私たち1人1人全員が関わっています。ですから、どんな人物でも、未来の事を全てわかるという訳には行かないのです。

ですから、占星学では具体的な未来は判りません。
でも、ある時期のエネルギーの方向性と強さならわかります。
私も星とにらめっこをしては、「今は○星のコンディションが悪いからあれとこれとそれに気をつけよう」などと考えています。
ここで注目していただきたいのが、気をつけるべき事が1つに絞られていない事です。
いくつかの候補を挙げて、他の星やその後の星の動きも考えに入れてシミュレーションをし、何に気をつけたら良いか、いつまで気をつけたら良いか、反対にどこを伸ばしたら良いか、いつまで良いエネルギーの時期が続くのか……を考えるのが、私のやり方です。
もしかしたら、「その程度しか判らないの?」と思われたかもしれませんが、これだけでも「その時に起こっている事が、人生全体にとって良いことか悪いことか」「今判断(決心)して良いか悪いか」がわかります。
何よりも無限にある可能性をいくつかの可能性に絞れる、というのは大きいと思うのです。
それでも予想外の出方をする事はありますが、それは「知ってはいけない事」だったのだ、と思うのです。
人間が自分の死の時期と原因を知ってはいけないのと同じ、なのですね。

という訳で、残念ながら(?)占星学をいくら極めても、何でも判るわけではないのです。
もし、未来の事が何でもわかったら……多分、私は占い師など辞めて、楽してお金持ちになって遊んで暮らすと思いますよ!!(笑)


※大山さんからは次の感想をいただきました。皆さんの参考にもなると思います。

ご丁寧な回答、ありがとうございます。
『アカシックレコード』、初めて聞いた言葉でしたが、とても興味深かったです。
つい最近、祖父が亡くなり、「生きること」についてもいつも以上に考えていたりしてなおさらです。生きている今こんなにいろいろなことを考えているのに、死んでしまったら突然何もなくなってしまうなんてなんだかおかしいなって感じたんです。

でももっと大きな視点で、全宇宙のシナリオがあって、それに従って一人一人がバランスをとるように生きているって考えたら、「今、このチョイスによって人生変わっちゃうかも」ってくよくよ悩まないで、どちらにも選んだら選んだだけの理由とその先の道があるって、思えそうです(特にくよくよしやすいタイプなんです私(笑))。
たとえいつか死んでしまう時が来ても、それは全宇宙の記録の一部として、また次に受け継がれて・・・なんて。
でもきっとまたくよくよして伺うと思いますが、そのときはよろしくお願いします。
先生、もし仮に未来が全部見えちゃっても(笑)、職業変えないでずっといてくださいね。